一月二十五日(金)

 10時ごろに起きて、スーパーでコーヒーを買ってから大学に向かう。コーヒーを切らしているとどうも落ち着かないし目覚めも悪い。寮の近くで庄司さんとそのお母さんに偶然出会った。引っ越しの手続きの一環なのだろう。

 大学に着いてもなんだか落ち着かず、市政専門図書館で資料を収集しようと思いなおす。その途中加藤さんに会って新しいiPadの機能を見せてくれた。書き込みの感覚がすごくいい。ほとんど紙が不要になる感覚がある。

 市政図書館で都市計画法策定時の議事録と岡実の文献を複写する。図書館は新しく、また管理も厳しくなくてのびのびと使うことができた。これまで見たことのない本も数冊確認できたし、得るところは大きかった。この土日でこれら資料を読み込んでいく必要がある。そのあとで日比谷公園内のレストハウスで、メニューにあるとは思っても見なかった生パスタのペペロンチーノを食べて、大学に戻ることにした。

 議事録に目を通していたが、意外と議論が紛糾していて興味深い。まだ全部読み通した訳ではないが、「都市計画法」をどこまで適用するのかという部分がまさに議論の対象になっている。都市研究会の初期メンバーの藤原俊雄が都市計画法の条文に強行に住宅問題に言及するようにいい、一旦はそうした方向に議論が流れかけるも、最終的には否決されるなど、プロセスを追っていくだけでも得られるものがある。おそらく、「都市」や「都市計画」について共通の見解や理解がないままに会議は進行していく。しかも、彼ら自身の理解のみならず、しばしば「地帯」「地域」などのワーディングについて社会に対して影響を与えうることが自覚されているほか、藤原が住宅問題に言及することにこだわったのも、人びとの住宅問題にたいする意識を喚起するという目的が述べられているように、(当たり前のことだけど)彼ら自身、こうした法律がどのように社会に影響を与えるのかということについて極めて自覚的だ。こうした「都市」をめぐる曖昧な理解の流れを上手く描いていかなくてはならないのだろう。

 無料公開されていた森達也さんの『A3』を読みながら帰途についた。

 中川