一月一〇日(木)

 昨晩はSession 22に電話出演する機会をみすみす逃してしまったことへの後悔と謎の興奮が覚めやらず、なかなか寝付けなかった。そこで、研究法の授業課題だった自分の研究計画書をつくり直していたら案外時間がかかり、結局明け方にまとめあげることになる。昼頃に起きてだらだらと大学に向かった。

 あり研で検討するスリフトの論文と林さんの解題に目を通す。スリフトの論文はおもしろい部分もあったが、空間とのかかわりから複雑性という概念にこだわる意図がよくわからなかったし、議論の肝心な部分をギボンズのモード論に依拠しているだけという感覚もあって、もやもやしながら地下実験室へと向かった。俊樹先生の「情報化社会論」の議論を思い出す。

 研究会では永田さんのサポーティブなコメントに感銘を受けつつ、林さんから最近の英米圏の地理学動向を聞いていた。林さんは地理学や商学に対して持つ違和感をいつもどおりの勢いで語っていたが、自分は都市工学に対して感じる違いをどのようにうまく記述することができるだろうかと思いを巡らせてみる。それにしても最近は日本で地理学の院生がめっきり少なくなっているという話には驚かされた。

 明日が修論の締切らしく、多くのM2の人が製本や郵送に追われていて今日のコモンズには独特の雰囲気があった。知らない研究室のM2の人が先輩に「0時半には何があっても電話しろよ!2時には絶対にすべて終わらせて寝ろよ!」と檄を飛ばされている。

中川