十二月二十三日(日)

晩にみんなで「プラダを着た悪魔」を観て面白かったので書きとめておきたい。Runway誌で徐々にアシスタントとしてのキャリアが開けていくときに、アンドレアが感じていた高揚感がすごい分かる。恋人や友人をないがしろにしようという気持ちはなかったとしても、その面白さの方が生活の比重を占めていく。あのシーン、たぶん多くの研究者は共感するんじゃないか。

結局、アンドレアはRunway誌を退職して、ジャーナリストとして出版社に採用される。Runway誌での経験を糧に――ミランダからの推薦があった――、恋人との関係性も修復して、彼女はキャリアを前進させていく。

この映画を観た人の多くが、いま自分は自分にとってのRunway誌にいるんだ、と思うだろう。そうやって、専門の世界に打ち込むことを客観視する準拠点ができることは良いことだなと思う。Runway誌の先があるかは分からないけれども、不可能じゃないはずだと思わせてくれるところも。

杉山