九月二十四日(月)

芦屋で目覚める。入れ違いで母親がお彼岸の目黒に行き、父親も送りに行った。実家でひとり残されると、昨日の京都を思い出す。自分は一人っ子でとして大変甘やかされてきたから、やっぱり寂しがりだ。

これまでこの日記や東京を歩く会をやったり、たくさんの読書会を開いたりしてきた。興味の在処が分かる間柄の人がいれば、私的な会を組織するのはそれほど難しくない。芸術社会学読書会が一番うまくできたし続いたと思うけど、自分にとって一番面白くて勉強になるように担当やゲストをセッティングして、参加者の人も一緒に楽しむようにつくれば良い会になる。森さんに教わったEduce Cafeのコンセプトと同じ。けれど、これからはメディアにも取り上げがいのある、公益性のある活動をしなきゃなと思う。

しなきゃいけないと思うけどやり方が分からないと、チャーリー君とよく話す。どうやったら出版の世界で言論を張る人間になれるのだろう?少なくとも見つけてもらわないとだめだ。論文とは別に、まとまった文章をブログに書くことか?学術的エッセイや時論を書く訓練は積んできていないな?

「なんでブルータスに書きたいの」と聞かれてハッとしたのは、漠然と「こうなったら良いな」とは思っていたけれど、具体的な理由があまり説明できないこと。論文は(たかだかまだ1本出しただけれど)意識的に取りかかれていると思うけれど、「記事」に関しては取りかかれていない。

昼過ぎに三宮に出て「storage books」に行った。アート・デザイン系の書籍やZINEが置いてあった。昨年12月に出来たらしい。お店の人に「自分が高校生の頃はこんな店はなかった」と言ったら、どうも塩屋が震源になってここ数年で少しずつ作家が増えているらしい。後で調べてみるとトランクデザインという事務所があるようだ。

「地元の作家さんのZINEが欲しい」と言うと、実はあんまりなくて東京の人が多いといいつつ、何点か見繕ってくださった。日課のスケッチをまとめたというZINEを買う。お店の人がといても話しやすい感じの人で素晴らしかった。口笛文庫いいですよねと盛り上がったりもした。また来ようと思うし、ここがあるなら神戸にいても楽しめるのかなという気がした。

杉山