九月八日(土)

休日出勤。

といっても主要なシステムは停止しているし、上司もいないので実質的に仕事を進めることはできない。ので、それを進めるために必要な仕込みというか、準備をする時間になった。

午前中は、現時点での予算執行額を入力して、台帳を作成した。ただ数字合わせができないので、100%終了というところにはいかない。やりながら、ちょっと自己満足的な仕事になっている気がしなくもなかった。

午後も仕込みの作業をした。ある事件が起きて帰宅が予定より二時間近く遅くなった以外は、取り立てて特筆すべきこともなかった。

夜、酒を飲みながら『デザインされたギャンブル依存症』の序章を読んだ。
カジノ産業の中でも、機械(マシン)を用いたギャンブル行為について焦点を当てながら、どうやって人が没頭し続けることができるか(本書では、その境地は<ゾーン>と表現されている)ということを解明しようとした本。著者が、マシンへの没頭を、不確実な世界に対して「勝ちか負けか」のいずれかの結果しか絶対にもたらさない「確実性製造テクノロジー」と呼んでいたのが印象的だった。多かれ少なかれ、勝ち負けのあるゲームの怪しい魅力というモチーフは、将棋にまつわるフィクションにも見られる。

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