七月三十日(月)

アムステルダム。残り数日。

昨日はまたひどい喉の痛みと、痰の苦しさで明け方に起きてしまったのだけど、今日は少し回復してぼちぼち寝られた。喉はめちゃ痛い。帰国後の医者をこんなに楽しみにしたことってない。

色落ちしてブルーになった洗濯物が、今回さらに染まった。インディゴブルー。相変わらずこの辺の夏は乾燥しているので、洗濯物がベッドのヘリにかけているだけですぐに乾く。2年前にヨーロッパでもちょっと乾きにくいなと感じたのは、確かイタリアだった。特にベネチアフィレンツェ。それでも日本より断然乾いてる。湿度が高くて蚊の元気な日本の夏に帰るのは、その部分だけ億劫。

シューマッハ・カレッジでのことを会話にしないとどんどん薄れていっちゃうので、ゆるめのお話会を2回セッティング。イベントページを立ち上げながら雑炊を作る。
そうこうしているうちに午後も過ぎ行き、仕事終わりの健太郎と電話した。

なんとなく片耳で騒がしいサイレンの音を聞いて、この辺では珍しいなと思っていたのだけど、外に出たら家のすぐ50メートル先から三叉路のところまで、通りが封鎖されていた。パトカーが何台も止まっていて、気にしている人たちの群。みんなが足を止めて見ている。そういえばさっきからヘリも飛んでる。
なんだろう。

封鎖テープまで近づいて見て見たけどわからない。報道のクルーも隣にいた。
オランダ語のニュースはすぐにわからないと踏んで、TwitterでAmsterdamを検索したら、銃撃事件とのことだった。

!?
え?こんな近くで?
犯人は逃走中とのこと。

まだ逃走中なのか現地の人に確かめたくて、近所の本屋さんで店員のお姉さん二人に、何が起きたのか尋ねる。
一人はあまりにオランダ語っぽい英語だったので私の耳では聞き取られず、それでもTwitterで見たニュースと同じ情報だった。

いまいち実感がないけど、どうしよう。今日はセントラール駅の方へ歩いて行こうと思ってたんだけどなぁ、私が犯人だったらどっちに逃げるかな。

そんなことを考えつつ、結局封鎖地域を迂回して、セントラールに向かった。現地の薬局が好きで、どうも立ち寄るのをやめられない。今まで通ったことのない道で、公園やブティック、古着屋さんを巡って歩いた。現金はほぼ使わないと踏んでいたので少なめに引き出していたら、1ユーロもない状態になっていた。なのでカードの使えないスーパーでは飲み物も買えない。

慣れた道を歩く。中央駅まで行ったのは久々だった。相変わらずこの辺はどこも大麻の香り。あんまり好きじゃない。
ドイツ産のオーガニックなトリートメントなんかを買って、たまにはいいかとトラムに乗って帰って来た。タイムラプスで窓の外を撮り続けるのが楽しかった。

夜は日本から持って行った乾燥レンコンと人参で、きんぴらを作って、お昼の雑炊とともに食べた。うま!
海外にちょっと長めに滞在するときは、乾燥の根菜持参をおすすめしたい。あと、少量の出汁とか味噌とか。

昼間の犯人はまだ捕まっていない。政治的な目的だとか、ギャングの争いだとか。


ゆり