三月八日(木)

 三浦海岸で目覚める。研究室合宿の二日目。午前のセッションを終えて、寿司を食べて帰る。論文の早期公開がされていたと教えてもらう。
 
 しばらく電車を乗り通して都内へ。雨が強いけど本郷に立ち寄り、副査の先生に論文を手渡す。研究を手土産に挨拶をしに行くのが、ぼくにとっての縁のあり方なんだな。
 
 でもそれだけじゃ不満なんだよ、とわがままを言っている。
 
 家では鶯谷一のバーテンダーからカクテルをふるまわれる。ビルドする素材についての体系化され、柔軟に利用できる知識。それを駆動する楽しさの感情。趣味でプロをやっているという姿勢に、文化の本質を見る。そして見習いバーテンダーくのちゃんが、また文化をつくっていくのだろう。
 
 ライチを使ったチャイナブルーが一番気に入った。
 
 [杉山昂平]