九月二十一日(金)

今日は9時に起きてパンと紅茶を飲んだあと、雨の中、四谷界隈を歩き回っていた。ずっと『暇と退屈の倫理学』のことが頭の中にあった。人はいつかまた退屈すると知りながら、しかし今暇をつぶすことをやめない存在で、奥底にある諦観と、今ここで花を飾ることを両立をさせる。そんな人間どうしの連帯は、花ではなく諦観の部分で起きる気がする。例え花が似ていても、諦観が合わない人とは別の社会的世界にいるんじゃないか。馬鹿みたいに抽象的な話だけれども。

本郷で公募書類を書いた。明日投函する。仕事を得たい。査読が帰ってこない池田さんの恨み節を聞く。夜、原田くんから電話がかかってきて罠に顔を出す。池尻さんと話してもう一つ仕事にありつけるかもしれない。と同時に、光さんの「仕事ばかりしていると自分の研究の成果を出せなくて、結局あとで遠回りする」という言葉が頭をかすめた。

田端に戻ってきてわたるさんとこたつ屋に行く。つくねは変わらない味だ。帰ってきてアニメを見る。

学部2年と修士2年は自分の中で新しい可能性が生まれた転機の年だった。今年もすでに結構新しい経験をさせてもらっているけど、博士2年もそうあるといいな。

杉山