三月二十一日(土)

10時半に起きてシャワーを浴びて西日暮里へ。今年も後輩たちの卒業公演である。コロナウイルス騒ぎで調整など大変だったと思うけど無事に開催できてめでたい。

自分は来年また卒業公演をすることになっている。前回から5年。いったん卒業してからのキャリアの方が長くなってしまったが、楽しみに踊れたらいいなと思う。

その後は千代田線に乗って根津で降り、本郷まで上る。研究室で博論を書こうと思ったがどうにも眠たくあまり進まなかった。結局Jeppesen and Frederiksen (2006) を読解するだけで終わったが、これが重要な考察をしていてレビューへの組み込み方を考え直させられた。DAWソフトのユーザーイノベーションをよく行っているのは音楽産業のプロではなくホビイストであるという知見だが、そのホビイストたちも実はIT産業の方ではプロのエンジニアだったり計算機科学を専攻している学生だったりするという。なので彼らは専門知を「輸入」していると考察されているのだが、これはまさに自分がMeyerのDIY Bio論文を読んだ時にも感じたことだった。彼らは音楽やバイオ業界ではアマチュアなのだろうが、一方でイノベーションを起こせる専門知を持っていて、ただのアマチュアではない。そこで活用されている知識は、もちろんコンピュータ・ホビイストとして培ったものもあるだろうが、一方で大学の情報工学部で得たものも色々あるんだろうなと思う。Pro-amやExpert-amateurといった存在を理解するうえでは、当該領域でアマチュアであるというだけでなく、その人が外部領域にいかに関与しているのかも知らないといけない。

写真論文でも「複数の領域にまたがった興味の深まりのようなもの」はうまく扱えなかったという限界を書いたが、その点への考察は博論後に取り組むといいんだろう。一つの趣味を続けるということだけが深く楽しむ学びではないだろうから。複数の趣味の横断や、趣味と仕事の横断。これはsくんの博論ともresonateするテーマだろうというのはこの前銭湯で話したことだ。

ちゃーりーくんとロンアールの汁なし担々麺を食べて帰った。

杉山