七月十二日(金)

 ここ最近はずっと文学部図書館にこもって『東京市誌稿』を読み進めている。コモンズに飽きるこういう期間が定期的に訪れる。市区改正の計画をめぐる具体的な局面で意外と商業者の利害などが議論されていたり、墓地移転反対の嘆願書などが掲載されており、この作業をしないと得られない資料に出会えた。それにしても、異様の扮装禁止の条例はなんだったんだろう。瓶のかぶりものをして騎馬隊を組んだり、猫の着ぐるみで菓子を配って広告をしたりと当時の都市空間はこうしたとんちきな集団であふれていたのだろうか。「西洋のパン、亜米利加のパン、仏蘭西のパン」

 値段が上がらないうちに一ヶ月後の帰省の飛行機を取り、予定も一つ決まった。帰りは大阪に寄って都市を感じたいところ。本当は夜行列車も考えたのだが。

 中川