七月九日(火)

 最近は一気に寒くなって調子が狂う。気温だけ見れば過ごしやすそうなのだが日が照らないからぱっとしない。それゆえにいいアイデアも沸いてこない、という言い訳がどういうわけかスラスラ出てくる。そこでとりあえず避けていた作業である『東京市史稿』市街篇を読み通していくという作業にとりかかることにした。実際、どこまで資するかわからないがとりあえず手を動かしたかった。

 読んでいくと、意外と興味深い。というか重要そうな記述にいくつか出会った。そのなかでも松島町のスラムクリアランスについて言及されていたのに目が止まった。市区改正や都市計画ではスラムクリアランスのことにはよく言及されるけれど、実際に生じた事例については先行研究では意外と限られた事例しか分析されていないと感じていた。これを突破口にできるか。

 中川