五月十一日(土)

朝、11時くらいに目覚める。その後昼ご飯を食べよう…と思っているうちに活動するエネルギーが湧いてきて、ノートPCとか論文とかをバッグに入れて飛び出していた。めずらしい。

レストランで刺身定食を食べたあと、近くのカフェに入る。Wifiが入っているようだがなぜかつながらなかった。背もたれがないベンチのような椅子で背中を丸めながら論文を読む。「参加」の概念をアカデミズムの用語法にそぐわないという点から批判する論法はFuchsと同じだ。問題はこういう批判がどこまで有効か。

その後車に乗ってぐるっと遠くのカフェにも行く。到着したのが三時頃で、閉店が四時だったので長居は出来なかったが、そこでか―ベンター論文を読み終えてノートをとった。か―ベンター自身が藁人形論法を使っている感じがぬぐえないけど、歴史を「前史」として位置づけることの危うさについてはとてもいいことを言っていた。

その後、なぜかさらに気が増していてボルダリング施設に向かった。たまたまあった知り合いに挨拶して、壁を一時間くらい上った。ボルダリングをした後、世界はなんてつかみやすいもので溢れているんだろうと、いう思いを強くする。車のハンドルなんて素敵だ。

余暇論セミナーでは4章の構成について考えた。論文全体の問題意識から構成を作ったので、次回で文章を書いていき今月中には完成をさせたい。

S


五月十日(金)

 昨日の学振に対するアドバイスを受けて書類に手を入れていた。
 
 煮詰まってきたなあというところでコモンズで杉山さんに出くわし、明後日の遊歩の計画を立てる。中村屋というところか本郷との意外なつながりも見えてきた。ルバシカがほしいという気持ちになる。最中を食べながら学術出版はペイするのがなかなか難しいという話を聞いていた。
 
 明治期の東京の社会史についてもある程度、情報を得ておく必要がある。江戸・東京学とかに改めて目を通してみる必要があるのかもしれない。
 
 中川

五月九日(木)

8時半に起きる。早起きしたからまだシンちゃんが家にいた。ローソンでパンを買ってきて紅茶を飲む。

2限に出るのはやめて写真論文の修正をする。できあがったので共著者にメールして確認を請うた。

昼に本郷に出て昼食をとった後にゼミ。後輩の研究テーマが「興味」になった。

夕方から駒場に出てフラメンコ。五月祭の通しが一通り終わる。最低限かたちにはなったからあとは精度を上げたい。

後輩とカレーを食べて帰った。

杉山

五月八日(水)

出張で、23区に戻っている。
参加する研修の開始時間は遅いので、いつもより寝坊する。
九時くらいに宿泊場所を出て、十時前くらいに研修場所に着く。
2時間の座学の研修のために長時間長距離の移動をしなければならないというのはやっぱり釈然としない。とか思っているうちに研修が終わる。
 
職場に戻ると、書類が山のように積みあがっていた。二時間ほど残業して片付ける。
 
S

 

五月七日(火)

 まず、学務に行ってから学振のさまざまな手続きを済ませ、図書館をはしごして溜まっていた資料収集に取り掛かった。面倒だが、こういうことをしていたほうが落ち着く。

 明治文庫でマイクロフィルムをガラガラと繰っているときに許可局を聞いていた。「クソリプ」という言葉を使わずお手紙、お便りと読んだり、誰かがダジャレを言った際に変な雰囲気になることを「ほぐし水」と呼ぶという提案があるなど、なかなか訴求力がある会。違和感をおかしみをもった概念に転化したいという気持ちになった。

 明日の発表のために神田のことを調べているのだがおそらく先生が考えているようなことは生じておらず無力感が漂う。なかばやけくそだったが神田の図書館に地域資料があるということに思いが至り、急いで二つの図書館をめぐった。千代田図書館が九段下の庁舎の9階にあって驚く。フロア全てが図書館で、古書店主や近くの大学生がおすすめする本が展示されていてなかなかに楽しい。久しぶりに図書館に感動したりしていた。
 さすがに地域資料はこういうところのほうが多い。突破口が開けるかと思っていろいろな資料を読んで関係する部分を複写したが、やはり想定するようなことは書かれていない。うーむ。

 帰ったら最果タヒの食のエッセイが届いていて目を通してみる。まずはパフェから。パフェは他の食べ物とレイヤーが違うという記述を目にするだけでうっとりさせられた。
 
 中川

五月六日(月)

7時に起きていそいそと出かける。西日暮里まで歩いて千代田線に乗り込み、北千住へ。さとしくんと待ち合わせて特急りょうもうに乗る。1時間半ほど乗っていると太田についた。

太田市観光協会は10時から17時まで無料でレンタサイクルしている手厚い組織だ。スポーツタイプの自転車があったのでそれを借りる。

まずは街中を抜けて金山へ。城跡案内所までの上り坂ですでに息が切れる。隈研吾のエンブレムを見る。山頂まではしんどいから行かない。

爽快に下り坂を走って駅前に帰る。なつかし屋の焼きそばを食べる。卵と豚肉トッピングで500円ちょいは安い。

駅前には太田市美術館・図書館がある。展示を見つつ、屋上へ。芝生の区画がいくつかあって寝転がれる。女子高生たちもおしゃべりしている。メディアテークよりもこっちのほうが好きだな。ただこれが都内にあると激混みでよくないだろうねと話す。

1階のカフェでいちごジャムソーダを飲んだあと、再び自転車に乗り込みピットイン77へ。思ったより遠く往復で30キロ近く走ったか。ドライブインだからてっきり色んなお店に囲まれているのかと思ったら田んぼの中にポツンと立っていて笑った。自販機でカレーハンバーガーを注文。球場の焼きそばがうまい理論でおいしかった。

帰りは蛇川のサイクルロードを走って駅に戻る。帰りの電車では熟睡していた。北千住でりんりんの300円ラーメンを食べて帰った。

家でGo Proの編集アプリを使ってみたらピットインの様子をとてもよくまとめてくれた。10分ほど撮りっぱなしにしつつハイライトを付けておいて、あとでアプリのAIにまとめてもらうというのは良いフローになりそう。

Go Proを使うようになって、「次にどんなアクションが起きるのか」を予期しながら行動するようになった。カメラを構えることは未来と交渉することであるな。

杉山

 

五月四日(土)

 地下鉄で大学まで行って学振の書類を作ったり、100人の東京のカメラを発送したりしていた。今日も雨が降りそうだったので18時頃に大学を後にする。文京区小石川図書館に行って利用者カードをつくる必要があったのも早く帰った理由だ。 村上春樹のエッセイにも書かれていたと思うが、小石川図書館にはレコードを借りる部屋があった。

 図書館に行く途中、播磨坂を自転車で登った。ここは石川栄耀が東京都戦災復興プランで考案したうち、計画通りに形成された数少ない場所の一つである。上り下りで車線が分かれており、真ん中が緑道になっている。日が落ちた直後でまだ少し明るかったが、非常にいい空間が形成されていた。この光景だけでも見る会があったと思う。いい日になった。

 中川