二月十八日(日)

 昨日から中学の時の友人が泊まりにきている。彼に学校を辞めるという話をされてからもう10年以上経つのか、と時の流れを感じる。
 昼前に起きると彼はすでに出かけていた。紅茶を飲んで支度をし、尾久銀座で合流してから町屋まで歩く。途中の中華料理屋でチャーハンを食べる。町のチャーハンには、なぜかまぼこが入っているのか。
 洋菓子を食べたいとのことだったので、千代田線で表参道まで出る。途中、青山ブックセンターで『美術手帖』3月号を買ったあと、ピエール・エルメ・パリでチョコレートとパッションフルーツのソルベ。チョコの甘さに酸味がきいてよい。思ったよりも店舗は庶民的だった。
 その後は渋谷まで歩き、ジュンク堂をまわり、最後にもつ鍋を食べる。田端に帰ってくるとSくんがいたので3人で銭湯に行く。ヒップホップと表現の話をまたする。
 家では昔話。ぼくの「最近、心の理論が芽生え、人間になった」話を興味深く聞いてくれる。「たぶんこの旅行で一番印象に残る」だそう。そう、10年経つと人はちょっとだけ変わる。でもやっぱり人間になりきれない悩みは抱え続ける。弱さや痛みは共有できなくて、ただ趣味を共有する人間関係とは何なのか、いつも考えている。
 
 [杉山昂平]