十一月十日(日)

九時過ぎに起きる。
昨日と同じく一日中来週の面談に向けた研究概要に関係しそうな本を読んだり、概要を書いていた。

Bustch 1990のイントロダクションを読む。レジャー産業の権力とかヘゲモニーや抵抗を扱う、というテーマの本らしい。権力とかいう問に引き付けると、マスを対象とした産業として成立していない趣味活動を扱う意義はなんだろう、と思う(あんまり考え切れていない)。「買うだけで楽しめるレジャーで育った世代は自分で楽しむスキル(skills of self-entertainment)を発達させないかもしれない」とかすごいことが書いてあった。 skills of self-entertainment) という言葉はなかなかつらい言葉だと思う。

その後概要を書き進める。「今や人々はレジャー経験の中でもメディアを使っていて、そのことによって得られる活動やスキル、アイデンティティがホビーの実践にも影響を与えている」という見通しを立てるときに、バードとかリヴィングストンのオーディエンス論が使えるのではないかと思い、(バードの単著が手元に無かったので)リヴィングストンのCVからそれらしいのをいくつか拾って読んでみる。mediationとmediatizationという概念とまた付き合う必要がありそうだ。しかしリヴィングストン自身が、「メディアが大事だ」と「オーディエンスが大事だ」の両方の説明を同じようにやっていたので、彼女にとっては、あくまで<活動のとき、コミュニケーションの技術的・象徴的・制度的次元が重要>という事態に注目したいのであって、メディアとかオーディエンスとかいう概念そのものに、あまりこだわりはなさそうだと気づく。自分もそのくらいの緩さでいいかもしれない(そういえば別の論文では、「オーディエンスとは何か」という問はそれほど大事じゃないと言っていたし、audiencingという概念の評価をしていた)。

弁当用のシチューを作って、キムチ鍋を夕飯に食べる。

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