九月一日 (日)

 せっかくだから復興資料館にでも出向いてみようかと思ったが、ご飯を食べながら見ていた『ジャンゴ 繋がれざる者』に完全にハマってしまい、三時間近くある映画を結局最後まで見ることになってしまった。クリストフ・ヴァルツがまた絶妙な役を演じており、最初は警戒心一杯で画面を見つめていたのだが、最終的に非常な快!の傑!という感じで。

 ドキュメンタリー班で久しぶりに会うことになって大学に向かう。赤門からみんなで上野公園まで歩いた。不忍池をこわごわ歩いていたところ見知ったおじさんを見かけたので、逡巡した挙げ句、話しかけることにする。幸いにも彼は私たちのことを覚えていてくれたみたいで、いただいた売れ残りのたこ焼きをつまみながら久しぶりに話をした。彼によればおでんの人は田舎に帰っていたし、別の人は姿をくらましたとかで私たちが撮影をしたころと状況が劇的に変わっていて驚く。あれはあれで貴重な瞬間を撮影していたのかも知れない。てか、部屋の鍵が空いたまま失踪って怖すぎるだろ。

 トリキで飲んだ後に歩きながら帰っていたらその友人の一人が、飛行機が怖すぎてフライトのたびに親に「ありがとう」と伝え、彼氏に「愛している」とメッセージを送ると語っていて「そういうのもあるのか」という感じだ。帰ってから久しぶりに『フライト』の冒頭部分を何度も繰り返し見てしまった。マーガレット!マーガレット! 
 
 中川