八月十七日(土)

 普段ならいい加減東京に戻っている頃合いなのだが、今回は長めに帰省している。家にいてもはかどらないのでせっかくだから高3の従兄弟と出かけることにした。ショッピングモールのシネコンで見た『アルキメデスの大戦』は評判通りの良作で、海軍重鎮のぼんくらに笑ったり田中泯の存在感に息を呑んだりしていた。こういうとき従兄弟とどういう風にどんなことを話せばいいのかいつも戸惑う。高3になる彼がどんなことを考えているのか、うまく想定しながら話すことができない。

 写真屋に途中立ち寄り、現像を依頼していたインスタントカメラのデータを受け取る。中身は中学生の時の修学旅行で、経年劣化した色合いも相まって遠い昔のように思える。これが我々的セピア色の日々ってことかな。

 中川