七月六日(土)

  今日は育英会主催の新奨学生歓迎バスツアーの日だった。今年で最後の参加になる。目的地は筑波のJAXA施設だった。飯田橋からバスに乗り込み首都高から常磐道に渡って茨城へと向かう。隣に座っていた新奨学生はバンドマンだった。
 
 ツアーのなかで印象的だったのは今も宇宙ステーションと通信している部屋を見学できたことだった。担当者の前に数多くのモニターとパソコンがあり、NASAと宇宙ステーションが前の大きなモニターに常に投影されている。宇宙プロジェクトもこうした視覚と聴覚にもとづいたコミュニケーションによって運用されているということが妙に生々しかった。

 新美に至るまでに別の新奨学生と話していたが、この人は典型的な反復練習が苦にならない人だと思った。周囲の環境からピアノやソフトボールを始めても、それを長期間続けて上達に至るということが繰り返されていた。

 世紀末ウィーンはなかなか回る時間が不足していたけど、個人的にはウィーンのリンクシュトラッセや都市計画、トラムの敷設や水道網の拡張という都市インフラの進展についての絵や写真、映像資料、模型等を目にすることができたのはよかった。晴れた往来で着飾ったブルジョワ、馬車、犬が入り乱れている絵も印象深い。
 
 他己紹介がいまだに受け継がれているのは発案者として嬉しいことだけど、後輩から指摘されて気づいたのは自分たちは紹介されていないということだった。盲点だ。紹介されたさがある。
  理事長はいつも自分のことを気にかけてくれて本当に恐縮してしまう。最初に隣りに座って話をしたのがもう6年前のことなのか。

 中川