二月十八日(月)

 9時に起きて10時に大学に向かう。

 「都市」というカテゴリーがどういう意味を持っていたのかということをぼんやり考えながら公衆衛生について少し調べていたら、明治時代の公衆衛生言説で伝染病対策が国か個人かという二択に引き裂かれており、その間を埋めるものが必要という話があるのを目にした。おそらく、こういう部分についてはまるのが「都市」というようなとらえ方なのではないか。「自治」と「衛生」の関係性も19世紀末には言われるようになっている。こうした意識がそのまま都市計画にも持ち込まれたのだろうか。

 夜には寮のコモン会議があった。こういうのもある意味で地縁にもとづく自治とみなせるが、来る人は限られている。「近くに住んでいるから仲良く協力して」というような規範は効きにくい。うちはまだこれでもうまくいっているほうらしいが、他は誰も参加しないということがざらで、自治会が高給のバイトを募ることで全体の清掃の管理を行う方向に切り替えるらしい。そっちのほうがうまくいくような気がする。あまり親しくない人と行う対面のコミュニケーションはそれだけでコストになるというのは自然な見方だろう。

 中川