二月十二日(火)

 9時に起きる。都立中央図書館に直接行くか迷った挙句、いったん大学に来てそれから思い直して広尾に向かうことにした。初めて利用するが、都市についての蔵書が充実しているのには驚いた。もっと早くから利用しておくべきだった。大学にも国会図書館にも収蔵されていない資料が結構あるので助かる。都市学会や都市研究会、内務省関連の資料をコピーしつつ水門や団地、廃墟の写真集を眺めていた。
 
 図書館から麻布十番駅に向かうために元麻布のあたりを歩いていたが、ひっそりとした高級住宅街が広がっていてそのスケールに驚かされる。とりわけ、坂の上と下という境界が明瞭に分かれているのが鮮烈だった。下りながら交差点を曲がっていくためしばしば方向感覚を失ったが、何とか麻布十番商店街にたどり着き、慌てて昼食のパンを買った。

 汐留の「子どものための建築と空間展」に少し遅れて到着する。初めましての建築学科の3年生の人と杉山さんとで象設計集団がいいよねとか、傾斜地にある学校はかくれんぼが捗りそうだよねとかべらべら喋りながら時間をかけて展示を鑑賞していた。そういえば、中学校のときに通っていた中学校の教室配置の歴史について調べていたことを思い出す。最後の「ペタボー」も印象的だった。

 新橋駅前の雑居ビルの一階にあった喫茶店でバナナパフェを食べながら「デン」とか「書斎」とか「隠れ家」ってなんだろうという話をしていた。さっきの展覧会で見かけた女性二人組が入店していたし、みんな考えることは同じらしい。

 中川