七月二十九日(日)

 七時起きで本郷に出て待機業務である。ラボで紅茶とフルーツグラノーラを食べるがどう考えても頭が働かない様子だった。昨日は第2回の東京を歩く会で、台風おかまいなしに大手町から東銀座までの地下街を歩き倒した。一度も地上に出ることなく飯を食い、美術館に行き、映画を観てスパに入れることが分かったが、8km歩き続けてさすがに疲れた。今日はどうしようもない。次のインタビューで焦点となるキークエスチョンをひとつ思いついたので十分な前進としよう。
 
 頭のなかをドラクエの「遙かなる旅路」が流れ続けていたので、Soundtrapでメロディーを打ち込んで遊んでいた。こうしてブラウザで楽曲制作で遊べるのはMIDIクラウドコンピューティングのおかげである。メロディーにトラップ風のベースとかドラムマシーンを加えて遊んだ。グルーブ感は全く生まれない。世のトラックメイカーはどうやって曲作りをしているのだろう。
 
 『退屈をぶっとばせ!』も読んでいたので色々思い出したけれど、小学生から高校生までの間にRPGツクールゲームデザインをしようとしたり、ACID Music Studioで楽曲制作しようと試みてはいた。Visual Basicの勉強もしていた。けれど何一つモノにならなかったのは、結局、他者との関わりがなかったからだろうか。
 逆に、今、ある程度モノになったものについて考えてみると、読書はかつては松岡正剛になるという明確な目標があり今は本を薦めあえる人がいるし、社会学・学習科学は熱心な同期に囲まれていたし、「いくつかの365日」も「東京を歩く会」も「この人なら面白がってくれそう」と声をかけられる仲間がいた。もし、あのときの自分のそばにもう一人、コンピュータと制作が好きな人がいたとしたら、未来は変わっていただろうね。
 
 興味を深める趣味縁、という研究テーマはなるべくしてなったのだろう。何度も言っている「君は東大に行かないと友達ができない」という担任の言葉は本当だった。たぶん大学院生になってから、人生で一番遊んでいる。

 杉山