七月十五日(日)
8日間のシューマッハ滞在が終わって、今ロンドンの街中にいる。
今日は日課のお散歩、マーケット巡りと、生きたかったオーガニック化粧品のお店へ。
二十四ベッドがある男女混合ドミトリールーム、二階のシャワーは水。地下一階の排水口は詰まってる。ザ・安宿。
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どこで何をしていても、心の中にシューマッハカレッジでの言葉が、体験が、緑や土や鳥が、棲み着いている。それが不思議な感覚で、今までのように急に開ききった感じというより、日常の中でじわじわと。
ロンドンでも、朝に瞑想をするようになった。時にドミトリーのベッドで、毎日大きな公園で。
自然史博物館の地質学ゾーンでは、ステファンと歩んだ壮大な歴史を思い出して何度も涙ぐんだ。地球って本当にすごい惑星だ。
買い物をする時、サティシュの言葉が巡る。「美しくて、役に立って、長持ちするもの」ガンジーはこの3つが同時に満たされているものを買うのだと。
かのイギリス出身のウィリアム・モリスは、「役に立たないものや、美しいを思わないものを家においてはならない」と言ったそうだけど、そこに「長持ち」が加わる。
Elegant simplicity.
私たちは、シンプルに、美しく、豊かに生きていける。
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滞在の間、どんどん私の中に膨らんでいったイメージは、ガーデンだ。シューマッハの一番古い畑みたいな、多様で、円形の庭。はっきりと、くっきりと、日を追うごとに強くなるイメージ。
そして、辞めることにしたコミュニティがひとつ。今の私にとってはそれは雇われることと似ている。
手作りで、手探りで、魂が呼ばれていることにまっすぐ正直に向かいたい。
リスペクトと、去ること、どちらもをていねいに表現するのは少し「えいっ」という感じだけど、私はもう充分。シンプルに、エレガントに生きたい。
土を耕して、大事な人と毎日を感じて、仲間を招くんだ。
宴を開こう。音楽と一緒に居られるように。
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思い返せば、ひょんなことからどりちゃんに声をかけてもらい、四年前から知っていたシューマッハカレッジに行くタイミングが巡ってきた。
準備期間のうちに、会社を辞めて独立した。大切な人と出会い直した。たくさんの人のエネルギーや応援に動かされた。足を踏み入れた時、理由はわからないけど体が「生命を祝福するんだ!」と叫んだ。
すごい。こうやって生かされるんだ。感謝。
ロンドンの日暮れは遅い。夜の九時半。まだ明るい。
ゆり