六月六日(水)

二人の静かな熱を読みながら、その間に割って入るように灰色の泥のような日のことを思い出して書く。

この日は、すごくミス続きだった。というよりも、これまで忙しさにかまけてわかりつつもなあなあで流していた雑な仕事の進み方が、一挙に押し寄せて来た感じ。
致命的なのはスケジュール感がやっぱり不足している。
最初の一ヶ月は、明日なにかするかすらわからなかった。
次の一ヶ月間は、ニ三日先のことがわかって、ちょっと動きやすくなったと思ったら、ニ三週間先のことを思って動く仕事がたくさんあってむしろ見えない部分の多さがあらわになった時期だった。

担当がはっきりしている業務というのは、言い訳しなくていいから、心の持ちようは考えなくていい。だから楽だ、と帰り道の車で考える。こんな、楽だけどシンドイみたいな感覚ははじめて持った。

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